Orgaworks History立地は関係ない!小川ビルのポテンシャル
オルガの歴史 オルガ誕生 テングマルシェ ドタバタ代替わり ビジネスの勘所
2020.8.23
こんにちは、細川です。
現社長の小川が、小川合名会社を引き継ぎ、オルガワークスを創業するまでのお話です。わたくし細川の入居から、あらゆるプロジェクトのきっかけになったテングマルシェ開催までの記録です。
聞き手/文
ヒトト製作所 野坂大
連載オルガワークス誕生秘話
登場人物
小川
現オルガワークス社長。当時は東京でWEBの仕事をしていた。突然、小川合名会社に入社することに。
細川
現オルガワークス専務。当時は独立したてのデザイナー。小川合名会社の不動産を生まれ変わらせる。
会長
現小川合名会社会長。息子も小川と一緒に小川合名会社を救済する。
現オルガワークス専務の細川が入居
平成25年に、小川ビルの4階に入居しました。
当時、僕はインテリアショップで店長してたけど、ちょうど「独立したいな」って思ってた時期だったんです。
もともと知り合いだった小川から「小川ビルをリノベーションしたから内覧してほしい」って言われて、借りる気はなかったんですが見に行ったんです。
案内された部屋は、今のTENG STORE OSAKAがある部屋。50平米くらいの一人で使うには広すぎるくらいの部屋で、めちゃくちゃキレイでしたね。
そこに居合わせた小川と一緒に働いてたデザイナーさんの鶴の一声で、定価15万円の部屋を3万で借りれることになったんです笑
空いてんねんやったら貸してあげたらいいねん。
3万くらいで。
小川からしたら、まさかの家賃3万円ですよね笑
当時6割ぐらいの部屋が空いてたから、
3万円でも、むしろ細川が入ってくれることが嬉しかったんです笑
12万円分のプロモーション
小川から、一つだけ要望があって、僕が入居する部屋をショールーム的な感じで使ってほしいとのこと。
僕としても、12万円も安くしてもらってるので、勝手に小川ビルのプロモーションして、本来の家賃とのバランスを取ろうと思っていました。
これも自分の一つのモチベーションになりましたね。
ショールームにしたら、他の入居者の人にも、こういう風に使えるんだな〜って、想像しやすいかなと思ったんです。
小川も変な欲がなくて「安くしてやるんやから、〇〇しろ」なんていう見返りを求めるでもなく、何か楽しいことが起こるといいよねって感じ。
だから僕もやってみたいことが出来るし、とにかく楽しいことをやるようにしてます。
これは今も同じ!
このモチベーションがオルガワークスを作る意味合いにもなりました!
テングマルシェがスタート
当時の僕は、デザイナーとして、椅子とかインテリアを中心に、商品を作って、百貨店に売りに行っていました。
その百貨店で、その時に一緒に仕事をしていた染め物屋さんと、染め物ワークショップをしたんです。
そのワークショップが、賑わって成功したので、小川ビルの僕の部屋が広いし、
翌月には「小川ビルでワークショップしよう!」っていう話になりました。
染め物のワークショップだけだと、もったいない気もしたので、
物販とかコーヒーとか軽食とかを用意して、テングマルシェっていう形でやってみたら、思ったのと違う光景が見えたんです。
いろんなお客さんに「楽しい!」「もっとやってほしい」って言ってもらえたのが嬉しくて。
味をしめた僕は、そこから2ヶ月ごとにテングマルシェを開催して、1.5倍ずつ集客と規模感を増やしていきました。
初回5ブース
↓
2ヶ月後は7ブース
↓
さらに2ヶ月後は12ブース
その結果、一部屋で足りなくなっちゃったので、空いてた隣の部屋まで使って、さらにブースを倍にして、その時はがむしゃらでした。
僕ら、正直、手応えと言うより圧倒されてましたね。みんなこの小川ビルを目指して来てくれる。そのことにただただ父親と二人で驚いてました笑
小川ビルにはポテンシャルがある
自分が思う楽しいイベントをしたら、お客さんも喜んでくれて、どんどん人を呼ぶことができました。
その結果、地元の人とか通りがかりの人ではなくて、わざわざこのイベントのために来てくれるお客さんも増えてきました。
一番いい状態のイベントの時は2日間で500人くらいの方に来てくれて、出店者の方も片道2hくらいかけて、小川ビルに来てくれる。
あれだけ心配していた立地は、そこまで問題ではない。
つまり、
・このビルはポテンシャルがある!
・やり方が大切!
このふたつをテングマルシェの経験で実証することができました。
イベント自体が仮想コミニティに
イベントを重ねていく中で、対外的に一つのブランディングができていました。
テングマルシェは、知らない人は全く知らんけど、知っている人からしたら絶対行きたいイベント。
僕たちは広告費用をたくさんかけたわけではなく、S N Sと口コミだけ。
「じわーっ」と広がっていったんです。
そうなったのは、ビルのなかにいろんな熱量があるからだと思います。
来てくれたお客さんから生の改善点を抽出して、その改善点の内容からさらに楽しめるイベントにするために、その後の出店者も決めていく。さらにお客さんが次の出展者になる。
イベント自体がビル内の「仮想コミニティ」となっていたんです。
出展者のスカウトは、パッと見で見極める
テングマルシェの出店者探しに関しては、今思うとなかなかぶっ飛んだやり方でスカウトしていました。
イベント当日、僕は必ずエレベーターの前で、お客さん全員を一人一人お出迎え。
- 「今日だけ楽しんでね」って感じのお客さんなのか?
- 「是非次も来てください」ってお客さんなのか?
- 100人に1人くらいの「あなた何かできますよね?」って言いたくなるような、表現する側のお客さんなのか?
エレベーターが開いて、パッと見えたお客さんの表情で、この人はテングマルシェに関して、どういう意味のある人なのか、3つカテゴリーに瞬時に分けていましたね。
さらに、気になったお客さんについては、
- イベント中その人を追いかけ回して観察
- 滞在中どれだけ他人を楽しませられるのか、本人が楽しんでいるのか観察
- 絶対、次も来て欲しい人は必絡先を交換
- 出店者側で欲しいって思ったら「何かやってますか?」と聞く
- 「やってます」だったら「2ヶ月後に出店できますか?」と聞く
と言う感じでやりとりしていました。今思うとなかなかの変態だったと思います笑