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INTERVIEW:一般財団法人大阪市コミュニティ協会大正区支部協議会 岩本富美子さん地域の人が助け合い、寄り添える場所に。人と人を「つなげるサポート」

ヨリドコ大正るつぼん ヨリドコ大正メイキン 僕らが考える福祉 空き家活用

細川 細川

「ヨリドコ大正るつぼん」が完成したら、地域の人々にもぜひ参加をしてもらいながら運営していきたいと考えています。
そこで、今回は地域の活動にコミットし、コミュニティを支えてきた一般財団法人大阪市コミュニティ協会大正区支部協議会 事務局長の岩本さんにお話を伺うことにしました。

聞き手/文
WeCompass 川幡祐子

 

変化する改革の中で変わらない「支援するスタンス」

川幡
川幡

まず最初に、一般財団法人大阪市コミュニティ協会(以下、コミュニティ協会)の役割や、できた経緯を教えてもらえますか?

はい。

私がおります、コミュニティ協会大正区支部協議会は、大正会館の施設管理運営はもとより、地域の団体と協働し、地域コミュニティを円滑に進めるためのプラットホームとして地域サポートや団体支援を行っています。

また、毎年行われる区民まつりでは、プロポーザル*に応募し採択を受けて、企画運営を行って開催をしています。

岩本さん
岩本さん

プロポーザル方式・・・事業を委託する場合に、最も適した提案書(プロポーザル)を提示した提案者を選定する方式

 

△大正区での市民手作りのお祭り「大正アイランド」でのパフォーマンスの様子

コミュニティ協会は、昭和50年に西区で初めて区民センターが設立された時、財団ができました。

その後、他区に続いて、昭和60年に大正区でも大正会館が建設され、市民の浄財をもとに財団が作られました。

岩本さん
岩本さん

川幡
川幡

市民による寄付で作られたのですか。市民の心意気を感じますね。

しかも、24区全部で浄財により作られたとは、すごいことですね。

大正会館は昭和60年代から、行政と民間の中間支援組織として地域に入り各種団体や地域住民と関係を築いてきました。

大正区はコミュニティ活動が活発な地域で、行政だけでは担えない地域課題や活動を、地域住民が積極的に行っていると思います。

岩本さん
岩本さん

△大正アイランド開催に向けて、区民の話し合いの様子

以前は、

コミュニティ協会に市職員が出向されていたので、今よりも行政と地域団体が近い関係にあったのですが、様々な行政改革や変更の中で、市職員の出向はなくなり、コミュニティ協会も大きな転換を迫られました。

そのような中で、地域各種団体の支援も予算が無くなり非常に難しい状況になっていきました。

同じころ、既存の地域振興会や自治会のほかに、新たに地域活動協議会として「地域まちづくり実行委員会」が24区に設立され、NPO化も視野に入れた自立する地域活動を促す行政方針が打ち出されました。

岩本さん
岩本さん

川幡
川幡

地域団体をNPOにする動きがあったのですか? 

そもそも奉仕や地縁での相互扶助を目的にした集まりが、NPOのような組織になることはできたのですか?

それぞれの地域団体の中では、

ずっと行政を支え共に歩んできたという想いがあったので、「今までの自分たちの活動はなんだったのか」という反発の声も上がりました。

「それなら今後は行政からの依頼や支援は受けないし、今までの取り組みから手を引く」という過激な意見も出ましたし、全ての地域団体がNPO設立を求めていたわけではないので、その為の自立は難しかったようです。

いろいろありましたが、今は皆さんが各小学校ごとの地域で、「まちづくり実行委員会」として運営していく為に、地域行事や会計の処理を手探りで頑張っておられます。

岩本さん
岩本さん

川幡
川幡

ここ12~13年の間に、行政と市民との関係性が、政治によって大きく変化したのですね。

はい。

地域活動がこんなに変わるとは思ってもみませんでした。

しかし、私はコミュニティ協会の職員ですし、地域活動を支援するスタンスは変わりません。

先輩方が地域と協働して事業を行ない、活動を支援する様子を見てきましたし、他区でも課題解決に向けた先進的な取り組みがあると、「見においで」と声がかかるので見学に行き、大正区でも活かせないか?と考えます。

職員同士の情報交換も活発なので、困った時には前任の担当に相談もしますし、他区の地域イベントも立ち上がりから参加する事もあります。

岩本さん
岩本さん

△市民活動で司会進行をする岩本さん

穏やかにつながっていけるお手伝い

川幡
川幡

「ヨリドコ大正るつぼん」では、

オーナーである小川さん、細川さんは、行政だけでは担えない地域の問題を解決する場として、福祉に関連する事業所、地域と寄り添う小商い、地域の交流拠点にしていこうとお考えです。

5年ほど前に「ヨリドコ大正メイキン」ができ、先進事例として取り上げられたことや、再生の経緯も知っています。

地域に根ざしてきたこの場所を拠点に、福祉の立場から地域コミュニティが広がるように、ずっと努力を続けておられます。

「ヨリドコ大正るつぼん」を行政の立場からも応援していただき、地域社会福祉協議会やコミュニティ協会、地域団体とも穏やかにつながっていけるお手伝いができたらと思っています。

地域の相互扶助の拠点になることは素晴らしいと思います。

岩本さん
岩本さん

川幡
川幡

最後に、

「ヨリドコ大正るつぼん」に期待することは、なんでしょうか?

行政の力だけに頼るのではなく、

月に1回でも地域から上がってきたお困りごとを話し合い、「ヨリドコ大正るつぼん」の事業者や地域でサポートができることはないか、行政や他団体にはどのような部分をサポートしてもらうのか。

そういったこともこの場で話しあうと聞いていますので、私もぜひその場に参加できたらと思っています。

また、私にもできる事がありましたら、「まちづくり実行委員会」の会長さんをはじめ、地域団体のみなさまに積極的にお繋ぎしていきたいと思っています、期待しています!

岩本さん
岩本さん

 

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