KUBO TENCHO料理は目の前の一人のために。お店に属さずストレスフリーで働く
TENCHOS みんな主役のコミュニティパブ 働き方改革 多様性 雇用のマッチ 食のコワーキング
2020.12.22

こんにちは、TENCHOSで料理を担当している久保です。
お店に属しているようで属さないフリーランス料理人としての働き方や、料理人として大事にしていることをお話します!

聞き手/文
ヒトト製作所 野坂大
連載元デザイナーのTENCHOS料理人『久保テンチョ』
TENCHOSは、好きな料理に集中できる
僕のTENCHOSでの仕事は仕入れを含めてお料理全般。
経営やドリンクの仕入れに関しては小川さん、細川さんにお任せしていてTENCHOSでは、料理のことだけに集中させてもらっています。
TENCHOSの面白いところは、他力本願。
できる人がやればいいという考えです。
みんな得意不得意があると思うんですけど、それをできる人が補い合って仕事をする環境なので、すごいやりやすいんです。
企業だと上下関係や他部署との摩擦など、しがらみがあったりすると思うんですけど、ここは上下関係が全然なくて、それぞれを尊重して運営してくださっているので、得意なことに集中できる、僕だったら好きな料理に集中できるとてもストレスフリーな環境です。
毎月の売り上げ目標は、みんなで共有しますけど「絶対に達成!!」みたいな感じではなく、
みんなで目標に向かって「こうしよう!」と団結して、各々の道を走っている感じですね。
そんな心地よいプレッシャーがあるので、ストレスフリーだからといってダラけることもなく、ある意味“良いストレス”になっていると思います。
目の前の一人を満足させる
僕が仕事をする上で大事にしていることは「またTENCHOSに来たい」って思ってもらう事です。そう意味では、常連さんに喜んでもらうことが一番大切なことです。
新しいメニューを開発する時は、常連さんの中でも特定の人を想定して作ることが多いです。
- 定食メニューの「チキンの大葉とチーズ挟み焼き」は、あるチーズ好きの常連さんのことを考えて作ったし、
- たくさん通って、よく食べる、学生の常連さんがいて、ほぼ毎日通うその方の食費のことを考えて定食スタイルのメニューができました。

それに、常連さんからはアドバイスをいただくこともよくあります。
チーズ好きの常連さんは、

ってズバッと意見を言ってくれたので、すぐメニューに反映しました。
今ここに来てくれている人を満足させることだけを考えれば、いつの間にか他の人も満足してくれる。
常連さんのその日の状況によって料理を変えることもあります。
一人一人の顔を見て、「今日は疲れていそうだな。」と思ったら、味付けを少し薄めする工夫をしたり、お客さんは大勢いらっしゃいますが、目の前の一人のために料理を作っている感覚です。
トライ&エラーを高速に繰り返す
料理はすぐに反応があるのでトライ&エラーを毎日繰り返せるのがいいですね。
新メニューを出す時は、緊張もしますがあんまり気負わず、すぐに相談して、ダメならすぐ改善するトライ&エラーを繰り返すようにしています。

毎日の営業の時も、1日に何回もいろんな料理をいろんなお客さんに食べてもらって、その度に反応を見ることができる。これが僕にとって料理が面白いところです。
元グラフィックデザイナー
もともと僕は、神戸芸術工科大学出身で、グラフィックデザインを勉強して卒業後は、デザイン事務所でデザイナーとして4年ほど働きました。
主にグラフィックデザイン、冊子のレイアウトや、食品のパッケージデザインなど、いろんな仕事をさせてもらったんですが、結構ハードな仕事で、作業量も多く、いつも納期に追われるシビアな仕事でした。
残業とか泊まり込みは当たり前「連休前になると、休み明けに出してくれ」と仕事が振られるんです。だから連休が大嫌いでした(笑)
一度、体調を崩しかけたことがあって、その仕事をやめることになったんです。そこから昔から興味があった食の方にゆっくりと流れていった形です。
デザインの仕事をやめてから、勉強のために飲食店で働きながら、朝の異業種交流会に参加したり、料理の活動にシフトして行きました。
料理はデザイン
基本的に料理とデザインは同じだと思っています。
盛り付けや彩りなど見た目もそうですが、仕事のフローがデザインとよく似ている。
- 依頼が来て、
- リサーチして、
- 提案して、
- 納期がある。
デザインは、お客さんと直接会うことがなかったので反応がわからなかったりするけど、料理はすぐに反応が返ってくるのが面白い。