YORIDOKO FUDOSANこれからの大家・不動産業は手間をかけることが大事
ヨリドコ不動産 ビジネスの勘所 中身も一緒に提案する不動産屋 空き家活用
2020.8.8
こんにちは、細川です。
今回はヨリドコ不動産の続きです。
聞き手/文
ヒトト製作所 野坂大
連載中身も合わせて提案する ヨリドコ不動産
登場人物
小川
オルガワークス代表取締役。ヨリドコ不動産では資金調達や大家業務を担当。
細川
オルガワークス専務取締役。ヨリドコ不動産では、物件に合わせたコンサルティングを担当。
EGDEさん
ヨリドコ不動産名義として、初めての顧客「メンズアンダーウェアブランド」
空き家活用という時代の流れ
ちょっと前までは、古い建物は潰して新築にするのに対して、国や地域から補助が出て、その結果、建設業界も潤いますって流れだったけど、
この数年で大阪市の全区で「空き家活用をやりなさい」と時代の流れが変わったんです。
そこで、僕らのヨリドコ大正メイキンがロールモデルになりました。
空き家対策で困っている人たちや、いろんな区とか市とか大学の方たちが、いろいろ情報を探していくと僕らのヨリドコ大正メイキンに辿りつくらしくて、
と、いう感じでいろんな人が見にくるようになりました。
不動産セミナーでは、みんなポッカーーーン
以前、不動産関係のセミナーに登壇させてもらったのですが、みんなポッカーーンでした。
20~30人くらいセミナーかと思っていたら、実際には200-300人!
しかも「ボロボロの空き家をいかに収益物件にするか語ります」みたいなセミナーだったんで、僕らの話を聞いて、みなさんポッカーーンとしていましたね笑。
って聞いてる人は思ったみたいですね。
ちゃんと情報をとっていくと、やっぱり手間をかけないとダメって気付くはずなのに、
こういうセミナーには答えを求めてくる人が多い。ショートカットばっかりしようとして、「最適な答えを持っている人がいるはず」って思い込んでさまよっている人がいっぱいいる。
コピペではできません
各地に伝染してうまく空き家対策できる人が増えていけばいいかなと思うけど、みんなコピペでやろうとするみたいです。
だけど、場所によって、環境とか人とか地域の特性があるからコピペではできない。
いろんな情報をもとに自分たちの独自性とかを地域に対して応用して考えないといけないんですが、大体の人はコピペでできると思っている。
例えば
古い物件で半年後に何かした
- 半年で0から1にコミュニティができるわけではない
- 便利だなと思うものを作りたいけど差別化できない
- 付加価値が付きにくいから収益性が下がる
って言うスパイラル。
大家さんの根本は「子孫に楽をさせてあげたい」
多くの大家さんの根底にある考え方は、
- 「次の世代の子に楽させてあげたい」
- 「不安な思いをさせたくない」
- 「資産を残す」
だから、次の大家(子供)のために物件を綺麗に修復する。
その結果、代替わりした時、次の大家は何も考えていない。そして、いつか壁にぶち当たる。
その時に、
- 僕らみたいなやり方をするのか
- 大手に声かけてお金かけてやるのか
これが分かれ目になると思いますね。
変えるということは、見えないことだから怖い。お金もかかることだし、変わる勇気がないと難しいですよね。
大家と店子という言葉が一番嫌い
大家と店子(たなこ:借り手の事)って言葉が一番嫌い。
大家が上で店子が下。上下関係を表す言葉。不動産を所有している人は、貸してやってるという意識を持っている。
もう、そう言う時代じゃないんですよ。
世の中的に供給過多で借りる人も減ってきている中で、
「良い場所だけど古い物件」じゃあ全然ダメと言うのが借りる側の本音。
それでもまだ「貸してやってる」という貸す側のスタンスがしんどい。
ビルを一つの装置や道具だと思って、できるだけ多くの人とシェアしていく、
そう言う風に思っていかないとビル運営はできないと思います。
今まで大家と店子って呼んでいた人を
大家 → たまたま場所を所有している人
店子 → たまたま場所を必要としている人
としてフラットで同じ目線で考えるべき。
たまたま持っている空きスペースを使ってもらう。
同等の立ち位置でお互いが納得する形でシェアしていく。
上下は必要ないですよね。