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What's TENCHOS ?福祉の場になっていた一年後のTENCHOS

TENCHOS ぬるま湯銭湯 みんな主役のコミュニティパブ 僕らが考える福祉 食のコワーキング

細川 細川

こんにちは、細川です。
今回は食でつなぐコミュニティ パブ TENCHOS(テンチョス)の続きです。オープンして1年後、想定してなかったお店に!?

聞き手/文
ヒトト製作所 野坂大

登場人物

小川

小川

オルガワークス社長。接客をしながら、主に世間話を担当。

細川

細川

オルガワークス専務。接客をしながら、お悩み相談を担当。たまにお料理もします。

久保テンチョ

久保テンチョ

元発酵マイスターの資格を持つ料理人。TENCHOSの全てのお料理を担当。

福祉の場になっていた一年後

オープンが2019年4月の頭。

結論から言うと

「食の場」でもあるけど、「福祉の場」にもなりました。

どういうことかと言うと、広い意味での「福祉」。人が困ったときに、生活の問題を解決するっていう意味ですね。

 

TENCHOSに来ている人の目的には「美味しいものを食べたい」って言うのあるけど、それは、たくさんある欲求の中の一つなのかなって思うんです。

 

もちろん、TENCHOSにとって健康的な食事はめちゃくちゃ大事な要素ですが、

うちのメニューは世界中にここにしかないものを、出しているわけではない。

 

それでも「わざわざテンチョスにきて食べたい!って思ってもらえる」ように、みんなが会いに来てくれる店づくりを目指していたら、1年後にはこんなお店になっていました。

 

 

What is 福祉?

暮らしの中で満たされないもの

誰もが、自分の暮らしの中で満たされないものっていっぱいあるじゃないですか。

「職場での人間関係で悩んでいる」
「プライベートがしんどい」
「コロナの情勢で心がざわついている」

 

いろんな事がある中で、自分で自分の心を満たすってのが難しくて、

やっぱり他者との関係で自分の足りないものを満たそうとすると思うんです。

 

けど、友達に相談したところで考えすぎちゃう?と言われたり、

夫婦でも家に帰って相談するとあっ、そうなん〜」と流されたりする。

 

自分が感じていることをありのまま受け止めてくれる存在が大事だと僕らは思うんです。

 

ありのまま受け止めてもらえる場所

「あなたみたいに不安を感じている人はたくさんいるけど、あなたがそれを不安と感じている事自体がとても特別な事だよね

という前提で捉えてくれる人が少ない。

 

オープンして1年。

TENCHOSは、そんなありのままを受け入れる場所になっていました。

 

 

「困ってる」が見えないと助けてもらえない国

子育てしている人を助けましょう!高齢者助けましょう!障がいがある人を助ける!

ってわかりやすいじゃないですか。

困っていることが明確化されている人は助けてもらえる。日本は福祉が進んだ国だから手厚いですよね。

 

普通の人には手薄な日本

逆に普通の人は、行政から連絡が来るのは税金の請求くらい。めっちゃ手薄。

自分で自分の身を守れ、病気とか事故になったときだけ連絡して来いって感じじゃないですか?

 

会社で鬱になってどうにかなりそうになっても誰も相談に乗ってくれないし、ケアしてくれる人が身近にいるわけでもない。

 

相談したって

「君だけじゃなくて、みんなしんどいんだよ!」とか、

「若いうちは努力しろ!」

って言われる。

 

ちゃんと働いて、税金も納めてるのに寄り添ってくれない。

みんな悩みがあるし、コロナで露頭に迷っている若い子とか働き盛りの世代なんかは、特に困っている。

 

一線を越えないための、よりどころ

そういう人たちにとっての、一線を越えないためのよりどころが必要。

 

今日の辛かったこと楽しかったことを誰にもシェアできない孤独な人たちが、

「あー疲れた」、「今日がんばったから褒めて!」「仕事で辛いことあった」って言ったら、聞いてくれて寄り添ってくれる人や場所ってのが誰にとっても大事。

 

 

 

オープン当初は考えてなかった福祉の場

オープンしてみて初めて、

一見健康そうな普通の人たちが、みんな悩みを抱えていることに気づいたんです。

 

みんなすごい抱えているんです。

どこでもいそうな、悩みがなさそうな人でも、やっぱり30分から1時間くらい話をしているとポツリポツリ吐き出す。そう言うのは誰にでもあります。

 

抱えている問題に針を刺す

例えば、土曜日に入っている占い師の女性店長はみんなに声をかけていく。

5分から10分くらいしか話できないけど、手相を見て一言言うだけで号泣するお客さんがいっぱいいます。

その人が一番抱えてる問題に対して針をさしているから。ツボに針を刺す感じで。

抱えていた緊張とか肩肘張っていたものが一気に取れる感じの、悲しい涙というより、ほぐれて出た安堵の涙。

 

一人で抱えて悩まなくて済むって安心して出る涙なんです。

 

小川
小川
そう言う姿を日常的に見ます。

そのあと、今まで打ち明けてなかった悩みを友達に打ち明けて、みんなで泣くみたいな光景が、日常的にあります。

 

みんなぬるま湯に浸かりにきているから、お客さん同士も「いろいろあるよね」って感じで、「おいしいもの食べてぬるま湯に浸かってから帰りー!」みたいな空気感。

 

 

デジタルな社会だからこそ、人と人との安心感

人間は、テクノロジーと共に進化すると履き違えている人がいるけど、絶対にそんなことないと思います。

テクノロジーが進化しても、人間はアナログのまま。

人間は所詮動物で、変わりようのない動物の本能がある。

 

だから、テクノロジーはその一部を手助けするためのものにすぎないんです。

 

人間なんて群れでお互いのケアをしながら、お互いを守りながら過ごしてきた動物なので、会ってこそ得られる安心感はもうDNAレベル。

この人達といる安心できるって体が反応する。

それが『幸せを感じるということ』なんだと思います。

 

 

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