What's TENCHOS ?『居たい人が居たいだけ居れる』ぬるま湯銭湯のように
TENCHOS ぬるま湯銭湯 みんな主役のコミュニティパブ ベッタベタに接客 僕らが考える福祉 食のコワーキング
2020.8.15
こんにちは、細川です。
今回も食でつなぐコミュニティ パブ TENCHOS(テンチョス)の続きです。福祉の場に漂う?
聞き手/文
ヒトト製作所 野坂大
連載みんな主役のコミュニティパブ TENCHOS
登場人物
小川
オルガワークス社長。接客をしながら、主に世間話を担当。
細川
オルガワークス専務。接客をしながら、お悩み相談を担当。たまにお料理もします。
久保テンチョ
元発酵マイスターの資格を持つ料理人。TENCHOSの全てのお料理を担当。
居たい人がいつまでも居れる
福祉的な場になったとはいえ、
今の世の中でよく言われているSDGsみたいに『誰も取り残さない』みたいに、そこまで考えているわけではありません。
居たい人がいつまでも居れる
漂いたい人を漂わせてあげるのが僕らのポリシーで、場づくりだと思ってます。
居たい人が『いくらでも居ていい空間』を目指しています。
道を歩いている人を呼び止めてまで助けてあげたいとは思っていません。
ぬるま湯TENCHOS
例えば、熱いお風呂が売りの銭湯と、ぬるいお風呂が売りな銭湯があったとして、熱いのが好きな人とぬるいのが好きな人って全然違うじゃないですか。
それと同じで、言わばTENCHOSはぬるま湯の銭湯なんです。
熱いのを求めている人は2度と来ないけど、ぬるいお風呂が好きな人は2-3時間浸かっていられる。もはやお風呂に使っている事を忘れるくらい穏やか〜な雰囲気が流れているからうちに漂いたくなる。
僕らが提供する居心地の良い環境はこれであって、こういう感覚と、こういう感覚を持った人同士が居心地よく感じるってのは、ある程度ペルソナ的な設定は考えて空間作りをしています。
繋がるお客さん達
例えば、今回のフリマ(TENG STORE OSAKAで開催されたフリーマーケット)の話をすると、一般的なイベントは、チラシを100枚を配って10人来ればいい方。
けど、テンチョスのお客さんに「フリマに来てねー」と、30-40枚配ったんです。その結果、実際にフリマに8割くらいの人が来てくれた。
ほとんどがTENG STORE OSAKAに来た事ない人だったし、絶対来ないやろって思う人まで来てくれました。お互いの信頼関係とか、仲間みたいな感覚があるから、当然のごとく足を運んでくれるんです。
あちこちで起きるご近所付き合い
そして、TENCHOSで顔を合わした人同士が、ご近所付き合いみたいな、何気ない会話がイベント会場のあちこちで起きました。
テンチョスで時間の共有し、なんとなくフィーリングが合うなって人たちがたくさんいる場所のは、その人達にとって暮らしの一部になる。
僕らがやっていることに対しても「もっと知りたい」「ぬるま湯にどっぷり浸かって居たい」と思ってくれるようになってると思います。その環境にいることで、その人の人生にとって、何かあったらあそこの環境に身を寄せようって思える。
これが僕らの「福祉の場」なのかなって思うんです。
ベッタベタに接客します
僕とか小川は視野が広いので、カウンターにいても、
テーブルのお客さんの「ドリンク頼みたいなあー」とか「ちょっと話したいな」と思っている素振りをキャッチできるんです。
僕らはグループで来てるお客さんにも話しかける。
誰かに連れて来られた場所って、自分が望んでいきたいと思ってないから、次に行こうとはあまり思わない。だけど、その場所で何かを経験すると違うんです。
例えば店員さんといっぱい話したとか、近くに座っていた人がめっちゃ面白かったとか、ここならではの経験してもらわないと次は来てくれないなと思ってます。
だから、僕らも何かしらの一緒に過ごした経験を残したくて会話をしっかりしています。
カウンターだけでなくテーブルでもベッタベタに接客します。
人を観察する装置
僕らは、「お客さんの一人一人が、どういう人なのか?」にしか興味がない。
「どういう人がここで楽しんでくれるんだろう?」と人の観察をする場所という意味合いが強いんですよね。つまり、TENCHOSは装置に過ぎないんです。
装置を仕掛ける
「食」とか「アート」とかそういう装置をこの場所に作ったら、
人々はここで、どういう風に過ごすんだろう?
どういう欲求を持った人がここに週一回、二回通うのだろう?
っていう疑問が、僕らにとってはすごい関心ごとなんです。
そんな人間観察に対する執着心があるからこそ、
雰囲気とか行動とかを見ると、統計学的にその人が、どういう人なのかが、短い時間で受け取る事ができるんです。
僕と小川は、別々に生きてきたけど、人を観察して、この人ってどんな人なのだろう?って分析してきた二人なので、人に対しての執着とか、この人のことを知りたいという欲求が、ものすごく高いんです。
僕らにハマらない人ほど面白い
すごくフィーリングが合わない人も来ますけど、それはそれで楽しい。
- この空間に入った瞬間に居心地悪るそうな人
- このお店にそぐわない人
が来たときになぜそぐわないのか?と分析するのが大切。
- このお店の明るさが嫌いなのか
- 雰囲気が嫌いなのか
- そもそも僕らみたいな風貌の人が嫌いなのか
- 食べ物が嫌いなのか
っていろいろ考えます。
「なんか合わない」「この人ちょっと違うな」ってお互いになったときに、
「何が違うと感じているのか」を考えることが大切。
「違うなー」で終わらすんじゃなくて、その人がお店に居てくれる30分とか1時間の間で観察するとすごい学びになります。