TENG STORE OSAKAきゃあきゃあ言いながら商品開発してたら独自の進化を遂げた
TENG STORE OSAKA きゃあきゃあ商品開発 オリジナルブランド 他力本願 勝手に差別化 大きめサイズのメンズブランド
2020.7.30
こんにちは、小川です。
この記事は、僕らが運営している大きめサイズのメンズアパレル雑貨TENG STORE OSAKAに商品作りのお話します
聞き手/文
ヒトト製作所 野坂大
連載大きめサイズのメンズアパレル TENG STORE
登場人物
野中店長
TENG STORE OSAKA店長。オリジナルブランドLACの全てのデザインを手掛けている。
小川
オルガワークス社長。ただただ洋服が好き、野中店長をバックアップ。
細川
オルガワークス専務。TENG STORE OSAKAには途中から参画。主にイベントなどの集客やサポートを担当。
オリジナルブランドLAC
テングストアがオープンして翌年の2015にオリジナルのブランドを始めました。
それまではセレクト商品や、あるブランドさんとダブルネームの商品だけでした。
細川に言われた一言
「やりたいけど、僕らがオリジナルブランドをやるなんて、、、」と思っていた時に、細川に言われた一言がきっかけでした。
ブランド名はLACっていうんですけど、
Light on the anti city
の略です。
“反逆”的な意味のどっかから引用してきた言葉。
アイテム数は、過去に作ったの合わせたら、100~200ぐらいあると思います。
パンツ、シャツ、帽子、コート、、ほぼほぼフルアイテム扱ってますね
80%はオリジナルブランド
今はテングストアで扱ってる商品の80%はオリジナルブランドで、売り上げのほとんどです。
他社の製品は、大きいサイズ専用でやってるわけじゃないけど、この服のこのサイズなら大きい人でも入るなっていうアイテムを選んで仕入れてます。
「きゃあきゃあ」言うながら始まる商品開発
僕らはいつも3人で「こんなん欲しいよね、あんなんいいよね」って、画像共有ばっかりしてるんです。
それを野中が企画に落とし込んでくれる。できたものを3人でパソコン見ながら話してます。毎日楽しく企画が進んでいく。野中は大変だと思うけど笑
だから、会議も企画書の締め切りもプレゼンもない。
この布高いって揉めることも一切ない。
まあまあ高いけど、
「いけるんちゃう?いくー?」とか「自分やったら買うなあ」
そんな話合いで進んでいく。
最低限のルールはあって、「原価率は○%から○%の間で抑えよう」ってことぐらい。
できるだけ決め事はシンプルに、楽しいものを作ろうってところは妥協しない。
それだけでずっとやってる。
一貫性なんて関係ない
こないだ野中が
って、かぶせ気味に答えました。
うちの良さは、
次に着たいもの、着て欲しいものを作っている
だから、一貫性があるかどうかはお客さんに全く関係ない。
楽しく作った僕らの商品で思いを伝えれればいいって思っています。
自分たちでデザイン
オリジナルブランドは、野中が全てデザインをやっています。
前までは、提携の会社が形にしてくれてたんですけど、今は、
- 野中が独自でデザインして生地まで決める
- パタンナーさんに企画を渡す
- 型をとってもらってそこから仮縫いまでしてもらう
- 形になったものを縫製工場に発注する
という流れでやってます。
超優秀なパタンナーさん
いつもお願いしているパタンナーさんがとにかく超優秀で素晴らしい方なんです。
予想を超えてくる仕上がり
大手ブランドでやってた人で、
絵を描いて渡したら、思ってる以上のモノが出来上がってくるんです。
僕らの体型と思考の癖をわかってくれているから、上がってくるサンプルの質がほんとにいいんです。
サイズとかは細かい指示はせず、オーバーサイズとかスタイリッシュとかそう言うコンセプトは伝えて感じです。前作ったやつより、ちょっと大きめでとかそんなラフな指示でもしっかり仕上げてくれる、本当に助かっています。
パタンナーさんとの出会い
そもそもは、僕が東京にいたときの近所の友達の友達でした。
僕の周りの人が、みんな彼女に会いたがるぐらいすごい人だったんです。
ちょうど彼女がパソコンにすごい疎くて、一緒に秋葉原にいってパソコン探しに行って助けたのが最初です。なんかあったら電話くるみたいな感じで友達関係が続いていました。
なんだかんだで10年以上の仲ですね。
シャツは福島の縫製工場
もともとパタンナーさんがお世話になっていた縫製工場が福島県にあったんです。
だけど、原発事故の風評被害で、
「福島で作られたもの」という消費者からクレーム
その工場は、多くの契約が切られている状況。パタンナーさんも契約を切らざるを得んかったらしいんです。
ですが、
と思っていたパタンナーさんが独立後、僕(小川)と一緒にお土産を持って、福島のその工場に伺ったんです。
そしたら相手方も
「こういう状況やから仕方ないのはわかるし、使ってくれると嬉しい」
って言ってくれて。
そこからTENG STOREのシャツを作ってもらっていて、
今では僕たちの理想のシャツは、この工場じゃないと作れないんです。
なんでも作れるところは雑な仕上がりが多いので、アイテムによって工場を変えています。適材適所。ちなみにデニムは岡山の工場。
とにかく、僕らは外部の人に支えられているなあとつくづく思います。
新作はシーズンごとに10〜20着
年に2回の展示会に合わせて、新作は半年に10-20着作ってます。
「Tシャツは月1個作りたいねー」という感じ。
シーズンごとから、オンタイムへ
最近気づいたんですけど、東京とか福岡で展示会をやり始めた時、
シーズンごとよりも、今着たいものを提案した方が嬉しいんじゃない?
ってことです。シーズンで考えるの意味ないよねって気がつきました。
どんどん作って来月に着れる服を作ってあげる方が理に適ってるんじゃないかって。
服の卸先(おろしさき)を作るわけじゃなく販売する窓口とファンを増やしてるからできること。全部自分たちの手売りで、来客と展示会とネットで売り捌けるからできること。だからこそオンタイムで作って行こうって方針に切り替える予定です。
少ない数をちょっと高くても、ちゃんと欲しい人へ
数十着しかつくらない
縫製工場に最小ロットを聞いて、さらに閑散期にやってもらうことにしてます。
メインでやってもらうと向こうも嫌がるし、高くつくんですけど、空いている時期にスポット当てて、制限してやってもらうと価格も下がってウィンウィン。
価格に関しては、ウチのシャツで言うと2万くらい。
これは世の中的には一番売れにくいって言われてるミドルの価格帯なんですけど、
数十着しか作らないから、全国で言うたら全然捌ける数なんですよね。
たくさん作って安く売って余らせるより、少ない数をちょっと高くてもちゃんと欲しい人に届けて売り切るのがお客さんにも僕らにもいい。
だからセールもしない。
お客さんにとって、定価で買ってても1ヶ月後に半額なってたら嫌じゃないですかでも、うちは値崩れしないから買っても損しないんです。
アパレル業界の古い体質から勝手に抜け出していた
本当はこれが大手の会社が理想としている形だと思うんですよね。大手だからできないけど、我々はできる。素人だからできる。
自分らにできることをしていたら、
時代と今のお客さんのニーズに合ったやり方になっていたし、
自分らの無理のないやり方をしていたら、
アパレル業界の古い体質から勝手に抜け出していた。
へんに業界の慣習をやらなかったことがよかったんだと思います。