What's ULTRA NEUTRAL ?パズルのピース単体を、良い悪いを判断する意味がない
コラム インクルージョン ウルトラニュートラル ビジネスの勘所
2020.8.16
こんにちは、細川です。今回はオルガワークスの哲学「ウルトラニュートラル」の続編です。キーワードはインクルージョン!
聞き手/文
ヒトト製作所 野坂大
連載次の時代の鍵『ウルトラニュートラル』
一定のスピード感で走る
僕たちはスピード感もかなり重要視していて、例えば車で考えた場合、
180キロ出してる状態で、30キロまで落とすのは、しんどいし燃費も悪い。だけど常に80キロをキープして走ると超燃費がいいですよね。スピード感を整えていくのは大事なんです。
ビジネスに対しても、僕たちが関わる人に対しても大事なことだと感じてます。
だから僕たちはスピード感を絶対落としたくないですね。
10個の事業を全部一定のスピードで進めながら、行けるんだったらそのまま成長させるし、ダメな事業がでできたら取っ払います。
とにかくこのスピードの中でできることを並行させて進めていくのが重要で、その判断にも俯瞰する能力が必要なんです。
作る資料はペラいち
具体的に言えば、うちは不要な会議をしないし資料もペラいち。ペラいちくらいで説明できることでないと、やったってできないと思っているんです。
削ぎ落として削ぎ落として、限りなく少ない手数で伝えられるところまで落とし込もうと思うと、いろいろ俯瞰して本質を見極めないといけない。
本質的な一行で言語化できたらペラいちで書けます。
いちいち立ち止まらないとダメなことはしないし、先の予定を決めないし、エンドも決めません。
他人を型にはめず、固定概念で判断しない
正直、僕も小川も一般的とは言えない人生を歩んできたし、人には言えないような人とは違う面を抱えて生きてきました。
「お前は男、お前は女」という形ではない『何か』を抱えて生きてきたので、自分を縛ったり、自分を当てはめるルールや、固定概念がないまま、何者にもハマれない自分を持って生きてきた。
「俺ってなんなの?」「俺って、本当に俺なの?」って
型にはまらず漂っている自分がずっといるんです。
何にも属さない自分が漂っているような人生を生きてきたから、
『何かにハマることだけが幸せなことではない』と小学生ぐらいの時からずっと考えて生きてきました。
だから僕も人から型にはめられるのが嫌い。
そして、絶対に自分も他人を型にはめないし、固定概念で判断しません。
そのために自分の感覚を毎日疑っていますね。自分で「これいいな!」って思っても「なぜいいの?」かを自分の中で検索して「なるほど、この点がいいと思ったんだ」と固定概念じゃなくて自分の基準で見つける。
パズルのピース単体を、良い悪いを判断する意味がない
例えるならパズルですね。
散らばったパズルのピースの中の一つを見て、良いも悪いも判断できないじゃないですか。
ピース単体だといい悪いを判断する意味がなくて、周りのピースに合わせることで、初めて正解不正解が生まれる。
あるプロジェクトで、癖がある人ばかりのメンバーで、うまくハマらないんじゃないかと思っていたけど、バッチリハマって、このメンバーじゃないとプロジェクトが成功しなかった!ってのは結構あったりします。
けど、同じメンバーでと、また別のプロジェクトだとハレーションを起こすことだってある。
各々の評価できるポイントが違うから、敢えて評価して区分することは無駄だと思っています。
固定観念を外すのは難しいのが世の常
固定観念や先入観を排除するって、なかなか難しいとよく言われますが、
僕は、自分自身を疑い続けることだと思っています。
例えば、すごい売れ筋の人気商品を見て、僕が良いと思わなかった場合、
「なぜ、みんながいいと思ってるのか?」
「なぜ、みんなが思うほどいいと思えないのだろう?」と考えます。
何かを感じとって自分にとっての良い悪いがあるはずで、すべてに理由がある。常に自分を疑って生きています。
目指しているのはインクルージョン
物事を評価しないってことは、今の時代で言うとダイバーシティっていう言葉みたいに『ありのままを捉えましょう』ってことですね。
さらにその先にあるインクルージョン。
『あなたの能力と、他の人の能力は、人それぞれみんな違うから、それぞれが自分の力を発揮する場所を作りましょう』という考え方。
僕らが目指しているのはインクルージョン。
ダイバーシティはただ単に『みんな違うよね』って話。
『違うよね』ってなったその人たちの個性を、いかに活かしていくのかが本当にやるべきことだと思っています。
地球上には、いまだに人と人との「差」から生まれる偏見や差別がいっぱいあって、、、。
セクシャルマイノリティとして40年苦しい思いをした僕は、当事者としてはとても大変ではあったんですけど、
でも、ふと頭上100メートルくらいから見てるもう1人の僕からしたら、「人と違うからってお前自身がクヨクヨしててどーすんねん!」って声もずっと聞こえてきていました。
人と違う部分を「特性」と捉える
蟻がいっぱい歩いていて、もし蟻自身がお互いのことを
「こいつちょっと赤い」とか、「足が長い」とか、長く続く列の中で言い合ってるとしたら、ちょっと滑稽じゃないですか?
でも、人間でもそれくらい本質的にはどうでもいいことだと思うんです。
人と違うことをネガティブに捉えるんじゃなくて、
「自分にしか出来ないことって何だろう?」ってポジティブに考える材料にしちゃえばいいのに、そう思います。
人と人との差異を「特性」と捉えて個性に繋げる。そうやって個人個人の力を生かせる世の中にしていきたいんです。
僕たちのヴィジョン
インクルージョンが世界中で認め合えるようになって、できないことを人に補ってもらうことで世の中回る
っていうのが僕たちのヴィジョンです。
僕らのテーマは他力本願。全部自分たちでやる必要はない。
得意な人が得意なことだけやって、僕らの苦手なことを埋めてもらう。
全員がポジティブに得意を活かして、ネガティブなことを責めない関係ができたらいいことしかないじゃないですか。
僕は根っからのポジティブじゃないけど、
この考え方だったら、みんなのことを「いいやんいいやん」って思えるんで、本当に最高ですよ。