INTERVIEW:浜田美波さん好きを仕事に。『自信を持ってお勧めする美味しい野菜で地域とつながる』おばんざいカフェ
ヨリドコ大正るつぼん ヨリドコ大正メイキン 僕らが考える福祉 空き家活用
2023.4.30

今回は、「ヨリドコ大正るつぼん」オーナーの小川さんや細川さんと出会って、コンセプトに賛同されて1階におばんざいカフェ「まにまに」の出店を決められた浜田美波さんにお話をうかがいました。
料理好きと世話好きが高じて、料理のインスタライブ配信を行ったり、自宅ガレージでマルシェを開催されている活動についてもお聞きしました。

聞き手/文
WeCompass 川幡祐子
連載新しい福祉施設 ヨリドコ大正るつぼん
- 第1回
古い長屋を再生して多様な⼈々が⾏き交う心の拠り所に。新しい福祉施設「ヨリドコ大正るつぼん」
- 第2回
オルガワークスだからできる福祉。漠然とした不安を深刻になる前にサポートする拠り所
- 第3回
福祉×アート×小商いが交わる空間づくり。築70年双子長屋の全面耐震リノベーション。
- 第4回
ヨリドコ大正るつぼんに出店!真のインクルージョンが込められたヴィーガン+グルテンフリースイーツ
- 第5回
デザイン性や生業を極めて、誰もが訪れたくなる「垣根をなくした人と人が出会える場所」へ
- 第6回
DIYから生まれる『地域の⼈が集う⾵景が⽇常化する開かれた空間』
- 第7回
地域の人が助け合い、寄り添える場所に。人と人を「つなげるサポート」
- 第8回
好きを仕事に。『自信を持ってお勧めする美味しい野菜で地域とつながる』おばんざいカフェ
- 第9回
今までSOSを発信できなかった人が発信できる場所。アウトリーチの最前線になることを期待。
野菜をメインにしたお惣菜やお弁当

まず最初に、
「ヨリドコ大正るつぼん(以下、大正るつぼん)」で出店されるお店の内容についてお聞かせいただけますか?
はい。 野菜をメインにしたお惣菜をテイクアウトを中心に販売します。 店内でも飲食できるように2~3席+テラス席も用意して、お弁当配達も考えています。

三泉商店街(大正駅前の商店街)でのイベントのお手伝いをした時に感じたのですが、お惣菜や唐揚げなどのお店は人気が高く、働く方が仕事終わりなどに買って帰られるのをよく目にしました。
お店では、お惣菜以外にも販売予定はありますか?
フライヤー(揚げ物ができる設備)を導入するので、唐揚げやメンチカツといった男性や若者が好きそうな揚げ物を作って、お仕事や学校の帰り道に買ってくださればいいなと考えています。

それはいいですね!
私も高校生の頃は帰り道の買い食いが楽しみでしたし、今も近所にあるお肉屋さん併設のフライを売るお店では、手で持って食べられるようになっていて、いつも学校帰りの高校生がたくさん並んでいるのを見かけます。
フライなら手で持てるように、唐揚げなら2~3個をカップに入れて販売しようと思っています。

便利で喜ばれそうですね。
ところで、お弁当は配達もするのでしょうか?
はい。 希望があれば、別途料金を設定した配達も考えています。 1ヶ月分(20食)を配達する「サブスクリプション方式」(月当たりの定額料金を支払えば、決まった回数分配達される仕組み)も考えています。 サブスクリプションでの料金は、1食単独で購入するより若干お安くしようと思っていて、さらに将来的には地域で元気に暮らす高齢者の方などに、配達のお願いができたらな、と考えています。
持ち前の行動力で「好き」を仕事に
使うお野菜にもこだわりたいので、私が自信を持ってお勧めする農家さんから仕入れた美味しいお野菜を、直接お客さんに購入していただけるマルシェを定期的に開催したいと思っているんです。 例えば、滋賀県東近江市の愛東地区は減農薬エリアで、メロンやイチゴ、ブドウなどがとても美味しいので、皆さんにも味わってもらいたいですね。 その中の少し形の悪いものはお店で食材として使用したり、さらに、地域住民の方に得意料理をお聞きして、そのレシピを取り入れたお惣菜も作れたらとも思っています。

そういうアイディアは、これまでの活動経験があったからだと思うのですが、その辺りの経緯もお話いただけますでしょうか?
阪神・淡路大震災の打撃を受けた大阪市内の実家を改修するのをきっかけに岐阜県から大阪に移住しました。 それまで何気なく食べていた野菜が、大阪のスーパーで買うと、美味しいと感じられなくて驚いたんです(笑)。 なので、産地直送の野菜を求めて、現在は開催終了している「芦原橋アップマーケット」や、梅田のグランフロントで開催されている「umekikiマルシェ」に通うようになって、出店している農家さんとも仲良くなりました。 ご近所さんに、マルシェで買ってきた野菜をお裾分けしていくうちに、「もらってばかりだと悪いので、お金を払うから買ってきて」と言う声がだんだん増えていって、大阪府近郊や滋賀県、奈良県など、いろんなエリアの農家さんに直接出向いて購入するようになったんです。

すごい行動力ですね!
ご近所さん達はとても喜ばれたでしょうね。
そのうちニーズが増えてきたので、月に1度、自宅ガレージでの「のきさきマルシェ」を始めましたが、それと同時に北浜にある友人のお店でも野菜販売をするようになりました。 最初はキャンプ用テントを張ってテーブルを並べただけの小さなマルシェでしたが、どんどん充実していき、エステやオリーブオイル販売、試食会なども加わるようになりました。
経験を活かして作り上げる楽しみ

そこから、どうやって、オルガワークスの小川さんや細川さんと繋がっていったのでしょうか?
私は料理も好きなので、農家さんから購入したお野菜を使ったランチを西宮の友人のお店で提供したこともあるんです。 さらに、料理のインスタライブ配信も始めたのですが、一緒にインスタライブをやっていたフードコーディネーターの方が、小川さんと細川さんの経営されるお店の料理人だったことがきっかけで、私もお店にも行くようになり、お話をさせていただくようになりました。

そのような偶然の繋がりがあったのですね。
大正るつぼんの出店を決められた理由も聞かせてください。
2022年の年始あたりに、細川さんが発信されてる大正るつぼんのコンセプトに関するFacebook記事を読んで「いいなあ」と思っていたんです。 でもお話する機会を逃したまま、その年の夏頃、お二人の経営するお店に出向いた時に、細川さんがいらっしゃって大正るつぼんの話になり「出店しませんか?」と誘われて、出店を決めました。 私には発達障がいの息子がいますが、その頃、いい企業に巡り会え、一般就労をしたことも節目になりました。
△浜田さんの息子さんの就労の様子は、コチラからもご覧いただけます
発達障がいの当事者とその親をサポートするプログラムで、TEACCHプログラム®︎※ というものがあります。 それを親子で受けている中で、私は発達障がいの方を支援する施設で、広報を行ったり教育プログラムの企画や経理などをする仕事をしていました。

ご自宅でのマルシェといい、前職といい、今回の新しいチャレンジをするためにあったようなものですね!
お仕事を辞めて、やりたかったことへの挑戦なんですね。
そうなんです! 岐阜県にいた時は銀行に勤めていたので、経理もできるのですが、前職などを通じて、新しい企画を考え、段取りを組んで作り上げていくことが好きだとわかりました。

いよいよお店のオープンですが、
最後に、大正るつぼんのある地域で、共にやっていきたいことをお聞かせください。
お店にお惣菜を買いにきた人とも何気ない会話をして、 『もし困っていることがあればお聞きして、それを解決できる情報をお伝えしたり、サポートできる人と繋ぐ』ということをしたいです。 そうやって、常に人がたくさん集まり楽しい場所にしていきたいと思っています!
連載新しい福祉施設 ヨリドコ大正るつぼん
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- 第1回
古い長屋を再生して多様な⼈々が⾏き交う心の拠り所に。新しい福祉施設「ヨリドコ大正るつぼん」
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今までSOSを発信できなかった人が発信できる場所。アウトリーチの最前線になることを期待。