INTERVIEW:オルガワークス小川オルガワークスだからできる福祉。漠然とした不安を深刻になる前にサポートする拠り所
ヨリドコ大正るつぼん ヨリドコ大正メイキン 僕らが考える福祉 空き家活用
2022.11.3

一般社団法人大正・港エリア空き家活用協議会(WeCompass)の川幡祐子さんにインタビューしていただきました!
⼤正区泉尾のヨリドコ⼤正メイキンのとなりに古い⻑屋が、⻑らく空き家のままでしたが、このたび再⽣をして、⽣まれ変わることになりました。第二回⽬のお話は、オルガワークス代表取締役の小川のお話です。

聞き手/文
WeCompass 川幡祐子
連載新しい福祉施設 ヨリドコ大正るつぼん
- 第1回
古い長屋を再生して多様な⼈々が⾏き交う心の拠り所に。新しい福祉施設「ヨリドコ大正るつぼん」
- 第2回
オルガワークスだからできる福祉。漠然とした不安を深刻になる前にサポートする拠り所
- 第3回
福祉×アート×小商いが交わる空間づくり。築70年双子長屋の全面耐震リノベーション。
- 第4回
ヨリドコ大正るつぼんに出店!真のインクルージョンが込められたヴィーガン+グルテンフリースイーツ
- 第5回
デザイン性や生業を極めて、誰もが訪れたくなる「垣根をなくした人と人が出会える場所」へ
- 第6回
DIYから生まれる『地域の⼈が集う⾵景が⽇常化する開かれた空間』
- 第7回
地域の人が助け合い、寄り添える場所に。人と人を「つなげるサポート」
- 第8回
好きを仕事に。『自信を持ってお勧めする美味しい野菜で地域とつながる』おばんざいカフェ
- 第9回
今までSOSを発信できなかった人が発信できる場所。アウトリーチの最前線になることを期待。
人と人の繋がりを大切にする
こうやって改めて聞くと自分で言うのも変ですが、バラエティに富んでますね!


⼀⾒すると関係がないように感じますが、何か共通する点などがあるんでしょうか?
簡単にいってしまうと、オルガワークスは、⼈と⼈とのつながりを⼤事にした事業を展開しているということです。
僕たちの会社は、2017年のヨリドコ⼤正メイキン以前に、梅⽥にヨリドコワーキンというシェアオフィスを作りました。
そこはいろんな業態の⼈が集まり情報を交換する場でもあるんです。

定期的にマルシェも開催しています。
マルシェを続けていくうちに、知り合いが増え、参加者の⽅とお話をしたり、その⽅のお店に⾏かせてもらうことも増え、刺激をもらい、中には事業のアイディアにつながるヒントをもらいました。


そういうご縁で⼀緒にするプロジェクトは、⾃分達だけではできないアイディアが形になっていくプロセスがあって、ワクワクします!
ガッツリ⾦儲けができる!と算段して、⾛り出すわけではなく、提供する商品やサービスが⾃分たちがワクワクするであることが、決め手となります。そうでないと、顧客の⼼を掴めないからです。

クラフトコーラの開発もメンズ化粧品の開発も、外部の⽅とのコラボで⽣まれました。
ネットでも販売していますが、特に対⾯での販売を大切にしています。
全国津々浦々、会場に出向いてお客さんと話をして、意⾒を聞くのが好きなんです。
するとまた、新たなアイディアや⼀緒にやりたいと思う⽅と繋がっていけるんです。

漠然とした不安に寄り添う福祉
販売時に、悩み相談に乗ることがあるんです。
その根底には、⾃分達オルガワークスのメンバーが性的マイノリティであることも関係しているかもしれません。
若いうちからそのことで悩み、誰にも相談できず、悶々としている時期があったので。


今の若い⼈は⾃分の将来や社会の将来について漠然と不安を持っているように感じてます。
その想いにすごく共感できるんです。
大正るつぼんは、多様な⼈々が⾏き交う場所です。
そういう⼈に寄り添い、いいなと思ってもらえる社会の仕組みやビジネスを作っていきたいと考えています。

福祉事業は、⼩さな事業者が参入することは難しいと承知していますが、⼀⽅で困っている⼈をサポートするのは、制度の枠の中だけでは、限界があるとも思っています。
制度的に福祉事業の対象となる⼈だけにサービスを提供するのではなく、深刻になる前にサポートできないかと考えています。


制度の対象外の方にもサービスを提供するということでしょうか?
常に相談する側と相談を受ける側の役割が固定化されるのではなく、相談をしていた⼈が⾃分の得意分野なら、相談を受ける側、サポートする側に回ってもいいと思うんです。
大正るつぼんは、「ここは福祉サービスの場です」と構えた場ではなく、また役割が固定化されない場を作りたいと考えています。

古い建物をリノベーションする価値

ヨリドコ⼤正メイキンを再⽣されたとき、⼩川さんにとっても⽼朽⽊造住宅のリノベーションは、初めての経験だったとお伺いしました。
融資を受ける際、銀行の反応はいかがでしたか?
初めての経験でした。あの時はワクワクドキドキでしたね! 銀行に融資を受けるとき、古い建物をリノベーションする価値や施工内容を伝えても伝わらかったのを覚えています。

融資条件の改善などはありましたか?
会社全体の事業収⽀の推移や返済実績を⾒て、それが信頼されて融資の条件が良くなったとは思いますが、⽼朽化した建物を再⽣することを評価し融資が下りたかはわかりません。 その部分は正直、5年前とそう変わっていない印象です。
しかし、前回に⽐べると、担当者が若くなり、リノベーションについて⼀定の理解と関⼼を寄せてくれています。 ⼀般の⼈にもリノベーションが浸透してきたことに加え、銀⾏の⽇々の業務で、空き家改修への融資相談が多くなったのだと思います。

なるほど。この5年で、空き家対策が当たり前になってきたということですか。
古い建物を再⽣してこそ感じられる温かみを新しい福祉施設「大正るつぼん」で感じ取ってほしいですね。
連載新しい福祉施設 ヨリドコ大正るつぼん
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- 第1回
古い長屋を再生して多様な⼈々が⾏き交う心の拠り所に。新しい福祉施設「ヨリドコ大正るつぼん」
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福祉×アート×小商いが交わる空間づくり。築70年双子長屋の全面耐震リノベーション。
- 第4回
ヨリドコ大正るつぼんに出店!真のインクルージョンが込められたヴィーガン+グルテンフリースイーツ
- 第5回
デザイン性や生業を極めて、誰もが訪れたくなる「垣根をなくした人と人が出会える場所」へ
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DIYから生まれる『地域の⼈が集う⾵景が⽇常化する開かれた空間』
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地域の人が助け合い、寄り添える場所に。人と人を「つなげるサポート」
- 第8回
好きを仕事に。『自信を持ってお勧めする美味しい野菜で地域とつながる』おばんざいカフェ
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今までSOSを発信できなかった人が発信できる場所。アウトリーチの最前線になることを期待。