Public relationsこれからの時代に生き残るための鍵は『広告ではなく等身大の広報』
2022.3.15

消費者の意識は時代とともに変化し、広告ではなく「等身大の広報」がこれからの時代を生き抜くための鍵となりました。
そんな中、今回のテーマは「オルガワークス流 広報術」
今回の記事はその1回目、広報の重要性や、SNSを使った情報発信、情報の集め方についてお伝えします。是非、最後までお読みください。

聞き手/文
ヒトト製作所 野坂大
連載オルガワークス流 広報術
これからの時代を生き抜くために必要なのは広告ではなく等身大の広報

広告は商品を売る、認知度を高めるなど利益に繋がるための宣伝ですが、
それに対して広報は、商品やサービスの社会的意義や存在意義をありのまま伝えていくことが目的です。

これからの時代、広報は社会で生き残るために必要だと思っています。
バブル期は需要と供給はどちらも共に高まっていましたが、現在は物やサービスが溢れているのに対し、消費と人口は減っています。そうすると供給側は情報で勝っていかないといけない。


これまで通りやっていても、ある程度世の中が正常に回っている間は食いっぱぐれはないと思うんです。
ですが、コロナが蔓延した昨今のように社会全体が大きく変化し、一気にふるいにかけられたとき、社会的に価値がないとふるい落とされてしまいます。


等身大の広報で社会的意義を伝える
ヒットすると、会社自体をみんなから必要とされていると勘違いして、傲慢になってしまう場合が多いんです。


商品やサービスが便利だったり、安かったりしたから求められていただけで、他により良いものがあればそっちへ流れてしまうんです。


ヒット商品が生まれたからといって、会社自体が愛されているわけではないことを理解していないダメなんです。
だから、会社の社会性や独自性を伝えていく等身大の広報が大事だと思います。


例えばどういうことなんでしょうか?
以前は、大草原を車が駆け抜けていき、車を大々的にアピールするテレビCMでしたが、最近は歌舞伎役者の香川さんとトヨタの社長が出てきて、直接的には車の宣伝はせず、トヨタの考え方や背景をアピールし、会社自体を売っていこうとしています。
広報に寄った広告になってきていると思います。


広告のあり方自体も変わってきているんですよね。

SNSで大事なのは、「自分で決断しないこと」

僕らにとってSNSはマーケティングツールになんですよ。
SNSでの発信する時は、「自分で考えない、決断しない」ということを大事にしています。


日々乃コーラのウェブサイトで使う写真を決めた時のお話ですが、商品を手に持っている写真と、商品のみ綺麗な写真、どっちがいいのか判断は自分でするのではなく、まず両方をSNSに投稿します。
その反応を見て、A/Bテストのようにその結果をサイト作りなどに活かすんです。結果が分かるのも速いし、マーケティングツールとして最適です。



男性がターゲットなので、当然、女性はほぼ反応しなくなり、男性の中でも反応する層としない層が分かれました。そこで市場の現実を知り、ごく少人数の人でもずっと支持してくれる人、狭いところにハマれば、ブランドとして成立すると思ったんです。
だから、よりターゲット明確にして、その人たちのためにみたいな感じをメッセージで出していった方がいいなと。といった具合でSNSを活用しています。

LAC HOME (エルエーシー ホーム)
毎朝5分のオトナ男子のためのスキンケア。着飾るための化粧品ではなく、時短もできつつ、肌の調子を整える基礎化粧品。
ミツバチ&ハチミツ的な情報拡散
SNSだけ出なく、オルガワークスに情報が集まってくるような仕組みや、人との関係作りも大切にしています。


そのためにコミュニティパブTENCHOSがあって、僕たちは毎日お店に立っています。ご飯やお酒を提供しながら、日々、僕らにいろんな情報が入るようになっているんです。
ミツバチが情報を運んできてくれるような感覚ですね。

ミツバチ(その人)から運ばれてきた花蜜(情報)を元に作られたハチミツ(成果物)作ります。さらに、そのハチミツの中に、その人の意見も入ったものだと当事者意識を持ってくれるので、自ら口コミをしてくれるんですよ。

こんな感じで、情報を集め拡散する仕組みがあるので、広告は必要最低限のみ。それよりも、僕らのことを理解してもらうための広報を重視しているんです。
